デイ・トゥ・デイ

□6話
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【Fナインテン?】

【そう。私達の拠点なの】

【そんな宇宙スペースは見たこと無いし、聞いたこと無いけど、人が住んでるのか?】

【行けば分かるって!】


先程のリゼとの会話を思い出すフジヤ。
“行けば分かる”
確かに行けば分かった。


『方舟、Fナインテン格納庫に着艦完了しました。
乗組員は、下船許可が降りてます。
ヤッター!艦長、本当ですか?』

下船許可がよっぽど嬉しいのか、ミシヨが自分で言って自分で喜んでいる。

『方舟の全クルーに改めて連絡します。
Fナインテンでは物資の供給を行うので滞在します。
その間は、仕事するも良し!
下船して家族に会うも良し!
みんな、疲れを癒してちょうだい。』

方舟内に歓声が沸く。


「みんな、嬉しそうだね」

「今まで張りつめていたからね。私も久しぶりだから嬉しいしw」

リゼも他のクルーと同じように、笑顔を見せる。

「俺も大丈夫かな?」

「乗組員って立場だから大丈夫じゃない?」

「俺もリゼと同じように戦いたい。
ヒノモトのような事にはなっちゃイケナイんだ・・・」

「フジヤ・・・」


「リゼ、フジヤ君にFナインテンを案内してくれる?」

「艦長!いつの間にここに!?」

二人しか居なかったはずの室内にいつの間にかケラがいる。

「艦内じゃ、息もつまるでしょ?市街地なら色々あるしね。」

「あ、ありがとうございます!」

「リゼも疲れたと思うけど、よろしくね。」

「はい。
あの、艦長。フジヤはこれからどうするんですか?
方舟に加わるんですか?
それとも、Fナインテンに残るとか・・・」

「落ち着いて、リゼ。
フジヤ君、貴方はどうしたい?
とは言っても、ヒノモトに帰すことは出来ないわ。
貴方の気持ちを聞かせて。」

まっすぐにフジヤを見つめるケラ。

「俺は、ヒノモトに帰りたいです。
でも、俺は俺みたいな人を生み出したくない。
ブラッドに乗って、戦います。今度は、目の前の命くらい救いたいんです。
レイノルズの理不尽な行為から・・・」

「そう。」

ケラはニコッと微笑む。

「新しい家族が出来たわね。」

「あ、でも俺嫌われてる・・・」

「「アイツは気にしなくて平気。」」

“アイツ”というのはダンの事だ。

「子供だからね、ダンは。」

ケラが苦笑しながら言った。
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