アホリズム

□ぽかぽかの、
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なんだか不意に、得体の知れない物に押し潰されるような。そんな感覚に陥った。辛い?怖い?なんだろう、この感じ。答えを探したところで、得られるものは何もなかった。

溜め息を一つ吐いてから未だに慣れない死体を目の前に、私は壁に寄りかかり、ずるずると沈んでいった。ぎゅっと足を折り畳んで小さくなる。所謂体育座りの状態だ。そうして膝に顔を埋めたら、なんだか世界から遮断されたような気がして、気分がよくなった。
現実なんか見れない。見たくない。もうずっと、こうして世界と切り離されていたい。このまま壁と地面と、溶けて同化して失くなってしまえばいい、とさえ思った。

「ななしさん」

あれから何分こうしていただろうか。突然の呼び掛けに、ぴくりと肩が揺れた。外部の音さえも遮断されていた私の世界に、たった一つ、聞こえた彼の声。私はゆっくりと顔を上げた。もう何も見たくなかった筈なのに。

「どうしたの?どっか悪い?」

見上げた先の彼は、眉をハの字に下げ、心配そうに私を見ていた。ああ、そんな顔をしないで。といっても、そうさせたのは私なのだが。

「大丈夫。なんともないよ」

そう答えたら、彼はへらっ、と締まりのない顔で笑った。それだけで私は救われたような気がした。

「よかった。じゃあ戻ろう?」

そう言って差し出された大きな手。触れると、心地いい温もりが伝わってきた。

「みっ、きぃー」
「え!?ななしさん!?」

立ち上がると同時に私は泣き出した。彼の優しさが、温かさがそうさせたのだ。

「うわぁぁぁ、みっきー!」
「え?え?ちょ、え?」

勢いで抱きつくと、みっきーは驚いたような声を上げた。でも、数秒後には優しい声色に戻っていて。

「よしよし」

そうして、優しく頭をぽんぽん撫でてくれた。

「何があったか知らないけどさ。ななしさんは一人じゃないよ。俺がついてるから。だから、俺の事を頼ればいいよ」

まるで子供をあやすような。そんな感じがとてつもなく心地よくて、それは私を安心させた。







ぽかの、
(見上げる瞳に映ったのは)
(まるで太陽のような笑顔でした)






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