FT短編

□0.02ミリの壁すらも
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※ヤッてるだけ
※作成時間30分クオリティ



























「っ……ぁ…、ん」


抉るように腰を動かし、ナツのイイ所を突く。そうすれば、ナツは頬を上気させて、薄く開いた唇からは甘い喘ぎが零れ落ちた。ぐずぐずに蕩けた蕾は、律動と共にぐちゅぐちゅと厭らしい音がひっきりなしに漏れる。
下半身が融けるような感覚に、グレイはうっとりと喘ぐナツを見つめた。


「あ……あ、あっ……んぁ、」


幾度となく抱いた身体は、すっかり解きほぐされていて、快楽を享受している。いつも強気に釣りあげられた目は、甘美な感覚に慣らされて、蕩けたように潤んでいた。


「っ……気持ちイイかナツ」


ナツの媚態と、自身に受ける電流のような刺激に自然と息は荒くなる。腰を動かして、意地悪気に聞いてみれば、気持ちいいと息も絶え絶えに言ってくる。可愛い。

ナツの喘ぐ姿は可愛いし、それを見るだけでグレイは劣情をそそられる。

しかし、だ。

ぐちゃぐちゃになった下半身の、一枚隔てられた感覚がもどかしい。




ナツとするときに何時も使う道具。
セックスする時はこれを付けろと、どこからかいらない知識を付けてきて言い放ったのは、二度目の夜の事だった。
これは、初めてナツを抱いたときにグレイが犯した失態の所為でもあるのだが、自業自得という言葉はグレイの中にはなかった。しかし、そうしないと二度と抱かせないと言われてしまえば、従うしかない。


「っ……は、ナツ」

「ん、あ、あっ……ぁんッ、グレ、イッ」


手を伸ばしてくるナツに応えるように、唇を奪う。それと同時に口内さえも舌で犯し、柔らかく絡め取れば、一つに融け合ったような感覚が支配する。


「んっ……んぅ…ぁ…」


口の中に籠る喘ぎの、その震えすらも甘美だ。
このまま、どろどろに融け合ってしまえればいいのに、薄い一枚の壁が邪魔をする。


「なぁ、ナツ……ッ外していいか?」

「な、にが……っぅあ!?」


何の予兆もなしに蕾からズルリと自身を引きずりだせば、ナツの蕾がもの欲しげにヒクついた。ナツが余韻に浸っているうちに、邪魔なものを取り去り、寂しげに収縮するそこに何の躊躇いもなく突き立てた。


「ぁあっ…!…ゃ、何ッな、ん」

「はぁ……ッ」

「ああ、ッ…グレ、イッ……――」


ああ、気持ちいい。邪魔なものがなくなって、よりリアルな感覚が下肢を支配する。
ナツの熱を何の遮りもなく感じ、自分の熱がナツに伝わる。そのまま融け合って一つに―――。


「ぁあ…い、く…もうッ……ぁッ」

「っ―――……」














***
















「グレイ、てめぇ……」

「悪ぃ」


あの後、多分気付かれていないだろうと思ったのだが、ちゃんと気付かれていたらしく、目を覚ましたナツにこっぴどく怒られた。
後処理はちゃんとしたので、初めの時の失態―――腹痛はなかったから、まだ怒りは少ないようだが、それを差し引いてもかなりの苛立っているのが目に見えてわかる。


「でもよ、お前も気持ち良かっただろ?」

「………だからって次から許すと思うなよ」

「なんで!?ちゃんと後処理するから、な、いいだろ?」








その後処理が嫌なのだと、ナツの口から教えられるのはもうしばらく経ってからのことだった。














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