FT短編2

□忘れちゃNG二人の記念日
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暑い季節だった空気も段々と涼しい風が吹き始め、秋の季節が訪れて来たこの頃に、二人にだけの大切な……そう、今日は二人には特別な日であったのだ。




『すげぇぞ、グレイ!』
ナツは景色を見て走り回っていた。
『おいおい、そんなにはしゃぐなよな。』
グレイはナツを追いかけて言った。
『やっぱり秋と言えば紅葉狩りだろ。』
ナツは地面に落ちてそんなに時間が経っていないまだ綺麗な紅葉を拾い笑って言った。
『まだ、そんなに紅葉がねぇと思ってたけど、結構いい感じに色着いてんじゃねぇか。来て良かったな。』
グレイは木に手をかけてマジマジと見て言った。
『よぉし!ここでメシだぁ!!』
ナツは持って来たシートを引いて弁当を並べていた。
『そうだな、ミラちゃんの特製弁当でも食べるか。』
グレイはニヤっと笑ってシートに腰を下ろした。
『コレ美味いぞ、グレイ!!』
ナツはたくさんの食べ物を両手に持ち頬張っていた。
『そんなに、慌てて食べなくてもいいだろ?どれっ、うん美味いな。』
グレイはナツの口のまわりについていた食べ物を舐め取った。
『なっ、何してんだよグレイ///普通にコッチの弁当から取りゃぁいいじゃねぇか!』
ナツは真っ赤な顔をして言った。
『あ?コッチの方がもっと美味くなるからな。』
グレイは悪戯っ子のようにニッっと笑って言った。
『バカじゃねぇ、変態グレイ///』
ナツはボソッと言った。
『何か言った?』
グレイが言った。
『いや、何にも。』
ナツは再び食べ物を頬張り始めた。




二人は紅葉の綺麗な景色を見ながら弁当を食べ、たわいもない話をしてゆっくりと満喫していた。
『何か、雲行きが怪しいな……。』
グレイが空を見てそう言った瞬間冷たい粒が顔に触れた。
『雨……?』
ナツは頬にかかった水滴を拭い言った。
『ヤベっ、降って来た!?おい、ナツ早く片付けてどっかに雨宿りするぞ!!』
グレイがそう叫び、ナツとグレイは慌てて片付けをして少し離れたところに洞窟があるのを見つけ避難をした。
『ちっ、雨だけじゃなく風もきつくなって来てやがる……こりゃぁ、完全に台風に遭遇しちまったな……。しばらくはここで休むしかねぇぞ?』
グレイは洞窟から外の状況を見て言った。
『おう!』
ナツは言った。
『まぁ、どうせ直ぐにおさまるだろ。』
グレイが言った。







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