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□もう一度、ふたりで
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「楽しかった?桜乃ちゃん」
「はい!みなさんにお祝いしてもらえるなんて、びっくりしました。すごく嬉しかったです」
「それなら良かったわ〜」
1月14日、今日は四天宝寺中テニス部のマネージャーである竜崎桜乃の誕生日だった。
そのため、テニス部の面々は桜乃を祝うために、部活の後、部室でささやかなサプライズパーティーを計画したのだった。結果、桜乃は非常に喜んで、楽しんでいた。
…そして帰り道。普段、桜乃とまるで姉妹のように仲良くて一番親しい小春が、桜乃を家まで送っていた。
「…小春先輩からのプレゼントも、嬉しかったです。大事にします」
「そう?そうしてくれると嬉しいわ」
小春からのプレゼントは、小さな花がきらりと光るネックレスだった。
桜乃の好みのドンピシャで、見た瞬間そのネックレスに心を奪われた。
桜乃の好みを知り尽くしている小春だからこそできるプレゼントだった。
「…ねえ、良かったら、付けて見せてくれへん?あのネックレス」
「あ、はいっ」
桜乃はカバンから小春にもらったネックレスを取り出して、首につけようとする。
「あ、あれ…?」となかなか上手くネックレスをつけられない桜乃をみて小春はくすっと笑って、「つけてあげる」と言って桜乃のうしろにまわってネックレスの金具をはめた。
「あ、ありがとうございます…」
「どういたしまして。…よく似合っとるで、桜乃ちゃん」
「本当ですか?よかった…」
小春が微笑んで褒めると、桜乃は少し頬を染めながら笑った。
「本当、よく似合っとる。可愛いで」
「! そ、そんなこと…」
「本当よ。…ねえ、桜乃ちゃん。今度のお休みに遊ぶとき、そのネックレスつけてきてくれる?」
「! は、はい!絶対つけていきます!」
桜乃と小春は、実は今週の日曜日に二人きりで遊ぶ約束をしていた。
二人で遊んだことは何度もあるのだが、桜乃は小春にもらったアクセサリーを付けて二人で会うことに少しドキドキしてしまう。
妹のように接してくれていて、自らも姉のように慕っていたけれど、桜乃は最近その気持ちが少し変わったように思っていた。
慕っているのには違いないのだが、姉のようにではなく…。
「日曜日…今度は二人で、お誕生日パーティしましょうね」
「えっ!でも、今日いっぱい祝ってもらったのに…」
「そうやね。せやけど、二人きりでもお祝いがしたいんや。…ええやろ?」
「…!! は、はい…」
「うん、ほな約束ね」
小春が笑って小指を出すと、桜乃はそっとその小指に自分の小指を絡めた。
【もう一度、ふたりで】
(小春先輩にドキドキする。この気持ちは、なんだろう…)
End
たなな様からいただいたリクエストの小春桜で桜乃ちゃんお誕生です。
小春桜を書くのは二度目で書き慣れていない子なのですが、たなな様が望むような小春桜になっていれば幸いです…!
小春桜では、桜乃ちゃんの前ではちょっとだけ男の子に戻る小春ちゃんがいいなって思ってます(^-^)
たなな様、企画へのご参加ありがとうございました!
2015.1.14