頂き物

□彼女がエネルギー
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夏、彼女と会う機会が一気に減った。


「うぁあああ!会いたい会いたい会いたい桜乃に会いたいっ!」
「静かにせんか!部活中だということを忘れるな!」

突然大声で叫んだ丸井に真田は一喝。
しかし丸井の声は大きくなる一方。


「さーくーのー・・・!今すぐ抱きしめたい・・・!エネルギー補充したい・・・!」
「うるっさいのう・・・そんなに抱きしめたいなら抱きしめに行けばいいじゃろ。」


仁王がかったるそうに言いながら、丸井の後ろを指差した。
そこには、今丸井が会いたかった人物、竜崎桜乃が立っていた。


「・・・さ、さくのおおおおお!」

ものすごい大量の涙を流しながら、桜乃のもとに向かおうとした丸井だが何者かの手によって阻止された。


「丸井・・・まだ部活は終わっとらん!最後までやらんか!」

真田に引きずられていく丸井。
どんどん桜乃と距離があいていく。


「さ、さくのー・・・。」


そう言いながら桜乃のほうを見つめると、桜乃は微笑んで手を振った。


ほわわ〜んと癒しオーラが漂っている。



「あ〜・・・やっぱ可愛いぜぃ・・・。」
「うっざ・・・。」


先輩の溺愛っぷりに呆れ、思わず赤也はぼそっと言った。



「はっ、何とでも言えっ。」


桜乃が可愛いと思っているのは本当のことだし、何を言われても構わないという様子の丸井。
相当、愛されている桜乃。



練習が終わってすぐに桜乃を抱きしめに向かう丸井。

「桜乃ぉ・・・、会いたかったぜぃ・・・!」
「ふふっ・・・私もです。」

桜乃も微笑みながらぎゅっと丸井の服を握り締めた。
いつもより大胆な桜乃に丸井も嬉しそうに笑った。

「あーエネルギーが溜まってくぜぃ・・・。」
「エネルギーですか?」
「そ、桜乃エネルギーが足りないと俺は死んじゃうぜぃ。」
「ふふっ・・・丸井さん大好きです。」
「・・・っ!」


彼はいつまで理性を保つことが出来るのか。




(もうガマンの限界・・・!)
(えっ!)



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