お題

□好きすぎて俺、バカみたいだ
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こんなふうに誰かを好きになったのは初めてのこと。そして、彼女ができたのも初めてなんだ。

俺は一体、何をしたらいい?



「はあ…」

「? どうかしたんですか?宍戸さん」

「いや、なんでもない…」

「そうですか…?」



ああ、くっそ…せっかく桜乃といるのにため息なんかついちまって…最悪だ。

今日は付き合ってから初めてのデート。

今は公園のベンチでゆっくりしている。



「宍戸さん…疲れちゃいましたか?」

「なっ…ち、違う!!」



桜乃が心配そうに覗きこんでくるから俺は慌てて否定する。


疲れた?

違う、そんなわけない。


そんなんじゃないんだ…。


ただ…


「俺は…」

「はい」

「こんなふうに、自然にお前が隣にいて…」

「はい…」



…幸せすぎてよ。

こんなの初めてだから、どうしていいか、わからないんだ。




「…はは、情けないぜ。マジで激ダサだな、俺」

「え…、…!」



隣にすわる桜乃を、そっと抱き寄せた。



「し、宍戸さ…」

「悪いな、いきなり…」



なんだか無性にこうしたくなったんだ。



「い、いえ…」



桜乃は控えめに俺の服をぎゅ…とにぎって、俺に応えてくれた。

そんなことが、どうしようもなく嬉しい。




「…なんかさ、バカみたいなんだ、俺」

「え…?」

「お前のことが…好きすぎて」

「…!!」



何をしていいかすらわからない。

ただただ溢れてくるのは、こいつへの想い。

言葉にしたら、俺もこいつも真っ赤になっていた。







【好きすぎて俺、バカみたいだ】

(バカなくらい、お前が好きだ)





end

お題配布元:「確かに恋だった」様

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