短編
□確かな気持ち、淡い夢
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「幸村さんっ」
俺を呼ぶ君の声は心地よくていとおしい。
「頑張ってくださいね!」
君がそういってくれるなら、どこまでだって頑張れる。
こんな気持ちは初めてで。
戸惑ったけれど、嫌じゃなかった。
そしていつのまにか、君は俺の心の中に、ずっといる。
好きだよ、桜乃ちゃん。
心の中でいくら言っても、君には伝わらない。
でも口に出して言うことはできない。
俺はこんなにも臆病だっただろうか。
…怖くて仕方ないんだ。君に拒絶されるかもしれない。
だけど。
もし、君が同じ気持ちなら。
俺を受け入れてくれるなら。
そのときは…。
俺のすべてを懸けて、君を幸せにすると誓うよ。
俺が、君を守るよ。
…いつか、溢れ出しそうなこの想いを、
君に伝えられるだろうか。
【確かな気持ち、淡い夢】
(願わくは、君の瞳に俺を映して。)
end