短編
□今日、そして何年先も
1ページ/2ページ
1月14日。
この日は、あいつにとって1年に1度の特別な日。そしてそれは、今年から俺にとって、とても大切な日でもある。
授業中、そっと机の中の大事なものを手にとって確かめる。
付き合ってから初めての、竜崎の誕生日。
当然、女子にプレゼントなんてあげるのは初めてで、選ぶのには、時間がかかった。
アクセサリー売り場で、恥ずかしいのを我慢しながら迷いに迷って選んだ桜のチャームがついたブレスレット。
きっと、竜崎に似合うと思う。
……喜ぶといいな。
俺はあいつの喜ぶ顔を想像した。
いつ渡そうか。
早く渡したい。
早く竜崎の笑顔がみたい。
早く、会いたい。
…同じ学校内にいるのだから、すぐに会えるけど。
クラスが違うだけ。
二年になったら同じクラスになりたい。
やっともうすぐで、4時限目が終わる。
昼休み、竜崎のクラスに会いに行こう。
人前だと、周りがうるさいだろうから(特に小坂田)、屋上にでも誘って、
二人きりになったら渡そう。
おめでとう、の言葉と一緒に。
授業は残り10分。
当然、先生の話なんか頭に入っていなかった。
.