□ONLY MY GIRL
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「GET YOUR LOVE」の続編です。




『好きだぜ、桜乃』

『…私も…好きです…ブン太先輩…』


熱を出して学校を休んだ俺のお見舞いに来てくれた桜乃に、告白をして、受け入れてもらえて。
そのとき、初めて下の名前で呼んだんだ。
そうしたら桜乃も俺のことを名前で呼んで、好きだと言ってくれた。
あの日から俺たちの新しい関係は始まった…。






「桜乃、さーくの」

「はい?…きゃっ」


恋人同士になったあの日。あれからもう何度も呼んだ桜乃という名前は、今ではすっかり呼び慣れたものだった。
いつものように返事をしながら振り向いた桜乃に、俺はぎゅっと抱き付く。


「もうブン太先輩、いきなり…」

「…なんだよ、いいじゃん。二人きりなんだからさ…」

「ブン太先輩…」


ちょっと甘えるような口調でそう言うと、桜乃は俺の腕の中で大人しくなった。
…せっかく付き合ったのだから、俺的にはもっともっといちゃいちゃしたい。
それなのに、学校での桜乃と言ったら部活中は「マネージャーは公平ですので」とか言って前と変わらない態度だし、それ以外でも「恥ずかしいから」とあまり恋人っぽいことをしたがらない。
そりゃあ、桜乃の真面目なとこも照れ屋なとこも大好きだけどさ…。

とにかく学校でいちゃいちゃできない分、こうして家に呼んだときくらいは目一杯いちゃいちゃしたっていいはず。

…と思って抱きついたままいっぱいキスをしていたら、桜乃が恥ずかしそうに身をよじらせた。


「桜乃、逃げんなよ」

「だ、だって…」

「今くらい、お前のこと一人占めさせろって」


学校にはあいつらがいる。
テニス部の俺以外のレギュラーたち…あいつらもみんな、桜乃のことを気に入っていた。
俺と付き合いだしたことを知っても、そんなことは関係ないと言わんばかりに桜乃にちょっかいを出してくる。
桜乃はあいつらの下心にまったく気付いていないし、俺のことを得別扱いしないようにしてるから、あいつらにも俺に対してと変わらず優しい桜乃。
そんなのを見て、ヤキモチを焼くなっていうほうが無理な話。


「もう、何言ってるんですか」

「だってさ……」

「今だけじゃなくて…私はブン太先輩のものなのに…」

「…! 桜乃…」


腕の中でそんな可愛いことを言ってくる桜乃が、愛しくてたまらなかった。

好きだからもっといちゃいちゃしたいし、好きだからヤキモチも焼くし、好きだから一人占めしたくなる…。
…このまま俺だけのものでいてほしい、ずっと。


「…そんな可愛いこと言ってると、離してやんねーぞっ」

「わああっ、く、苦しいですブン太先輩〜!」

「ははっ」


ぎゅううっときつく抱き締めると桜乃はばたばたと暴れ出す。
腕を緩めると桜乃は膨れて見上げてきたから、俺はその拗ねた唇にそっとキスを落とした。



【ONLY MY GIRL】

(誰にも渡さない、桜乃はずっと俺だけのものだから)


end

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