校長先生に、あげてみようかな。
ぼんやりとそんなことを考えた自分に、自分で驚いた。
・・・ん?校長先生!?
なんでだ!なんであえて校長先生だ!
試しに、校長先生の顔を思い浮かべてみる。
・・・けど、イマイチ思い出せない。
なんでって、そりゃ・・・他の皆がキャラ濃すぎて・・・。
生徒はもちろんのこと、なんだか予測のできない若王子先生もさることながら・・・うるさ型の教頭先生も、かなりの存在感。
どうしたって・・・校長先生の影は薄くなっちゃうんだよね。
でも・・・私、知ってる。
校長先生、かなり詩人なんだよね。
入学式の言葉・・・けっこう感動したんだよ。
それに、週1で行われる全校生徒での朝礼・・・校長先生、毎回いい話してくれる。
あれ・・・なんだろう、この気持ち。
なんとなく影が薄いとか、でも何気に素敵なお話してるとか、でもきっと他の皆は知らないんだろうなとか・・・そんなこと考えてたら、急に愛しさが込み上げてきた。
・・・あげちゃう?マジで?
いいかも。
うん、なんか面白そうだしね。
校長先生・・・可愛いし、アリだよ。
そうと決まったら・・・遊くんに情報収集してもらわなきゃ!
きっとびっくりするよね。
遊くんも、校長先生も・・・
でも、なんかワクワクしてきた!
よし・・・とびきりの手作りチョコ、作っちゃうぞ!!
END