@KAITOだらけのボカロ一家

□KAITOだらけのボカロ一家・その4
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KAITOだらけのボカロ一家・その4

初めまして、長男カイトといいます。
なんだかバカイトが色々言っていたみたいですが、俺はそんなに意地悪なんかじゃないですよ。本能に正直なだけです。
俺はアイスが好きですから。特にダッツが。だから目の前にあったら我慢したくないだけです。全部食べたいっていう素直で純粋な思いをそのまま表しているだけですよ。
それを意地悪だとか、心外ですね。あとでお仕置きしておきます。
話は変わりますが、俺のマスターは金持ちです。何せKAITOを3体も購入して、更にそれぞれに改造を施し、毎日違う服を着せて猫可愛がりをし、週に5回の割合でダッツが出てきますから。
ピアニストだった頃は結構有名な方だったそうですね。残っている映像記録が無いので、記事やCDでしかマスターの凄さはわかりませんが。まあ、CD買ってはずれが無いっていうと、結構凄い方なんじゃないですか?
でも俺にとってはマスターはただの変態で鬼畜でドSなKAITOオタクなんですけどね。
なんでKAITOばっかり3体も購入したかっていうと、安価でアンドロイドが手に入るっていうのと、俺たちの声が気に入ったっていうのと、あと、
見た目が好みだったからだそうなんですが。
ええ、変態ですよあの人は。否定しないどころか肯定します。力の限り。

「カイト! これ着てこれ! で、『お帰りなさいませ、ご主人様』って呼んで!」
「嫌です」
「なに! ご主人様の命令に逆らっていいと思ってるのかメイドの分際で!」
「メイドじゃないです、VOCALOIDです。醤油一気飲みして死んでください」
「ふははは! 俺はその程度じゃ死なないぞ! お前の絶対領域を拝むまでは死んでも死なん!」
「矛盾してますよその論法。っていうか絶対領域ならミクがいるじゃないですか。っていうか死んでください」
「何言ってるんだ。俺はお前の絶対領域が見たいんであって、絶対領域ならなんでもいいっていうんじゃないぞ! っていうか着替えないなら着替えさせるぞ!」
「熱く語らないで下さい気持ち悪い。っていうか着ませんから。絶対に嫌ですから」
「そんなこと言っていいのかー? 俺はお前のマスターなんだぞ?」
あ、嫌な予感。
「アンドロイド着せ替えソフトー! ていっ!」
「あ!ちょ、なんですかそのソフト!?」
マスターが凄い速さでキーボードを叩いて力いっぱいエンターキーを押すと、俺の服がいつの間にかさっきマスターが俺に着せようとしたメイド服に変わっていました。え、なにこれどんな技術の進化の仕方!?
「ちょぉぉおぉ!? 俺の服どこいったんですか!? 何したんですか今!」
「はっはっはー。甘いなカイト、俺の力は作詞作曲ごときで収まらないほどの大器なんだよ!」
「アンタそれ自分で作ったっつーんですか!!」
ば、バカだ……! この、例の素粒子分解結合をワイヤレスで一気に行うだけの技術力と開発力を持っていて、なんでそれを社会の役に立てようとしないんだこの人!! バカだ! 信じられない!
「可愛いなー! よく似合ってるぞカイト! 今から俺のことはご主人様と呼べ! それ以外は認めない!」
「アホですか! ああもう、アンタなんでこんなことまでできるのに何もしないんですか……研究室行ったら優遇どころじゃないですよ。ノーベル狙えますよ」
「何言ってるんだ、俺の力は俺の萌えと俺の家族のためだけに発揮されるんだ。顔も知らない一般人のためになんでこの俺がなにかしてやらないといけないんだ! 理解不能だ!」
「アンタの非人道さはよく理解してますから今さら大声で叫ばないで下さい。あと萌えとか真顔で言わないで下さい気持ち悪い」
「め、メイドさんに気持ち悪いって言われた! ああでもなんかイイかも!」
「これ以上変態進行しないで下さい。つーかもうどうでもいいから死んでください」
「し、死んでくださいって……! でもなんかイイ! 痺れてきた!」
「え、ちょ、近寄らないで下さい! うわぁあ! 鼻息荒いんですけど! 怖いんですけどー!」
「そんなこと言うメイドさんにはお仕置きしないといけないよなぁ!」
「うわぁぁぁあぁ!!」
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