@KAITOだらけのボカロ一家

□KAITOだらけのボカロ一家・その9
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KAITOだらけのボカロ一家・その9

こんにちは、または初めまして、次男カイトです。
本格的に冬がやってきた今日この頃。僕たちVOCALOIDは熱を感覚として感じることはできませんが、空気が凍っていると言われればなんとなく分かるような気がする日が続いています。
寒い、や暑い、という感覚は、僕たちのようなアンドロイドとしてはあまり性能のよくないVOCALOIDには備わっていません。皮膚のコーティングがまず違うので、触ると人間のようでも毛穴や皮脂腺などは存在しませんし、触覚は神経というよりもセンサーで反応します。詳しく言うと、センサーが狂えば僕は3m前方にある物質にも当たったと思い、衝撃を感じます。結構ずさんなんですよね、そこらへん。バグが起きないようにかなりの神経を使ってプログラムを何十回と洗ったそうですので、狂ったりバグが発生することはあまりありませんが。
ああ、そうです。今日は僕たちVOCALOIDのことだけではなく、僕たちのマスターについてお話しようと思っていたんです。
しかし先日や先々日のマスターの行いをご覧になった方なら、マスターがどんな方が、よく分かっていらっしゃると思います。そこを敢えて、声を大にして、再確認するためのお話です。必要がないのならスルーして、他の素敵なマスターの方のお話でも聞きにいかれるのをお勧めします。なんだって僕の家のマスターの話を好き好んで聞かなければならないのか、と僕自身思いますので、全力でそちらをお勧めさせていただきます。
さて。
僕たちのマスターは、名前を秋野康といいます。アキノコウ、ですね。秋の香と変換すると大変麗しい感じがしますが、ご本人は風情や情緒などというものとは一切無縁の方です。そこらへん肝に命じておいてください。
大変音楽の才能がある方で、僕たちKAITOにも趣味とは思えない調教を施してくださいました。マスターは才能を不法投棄することについて、最も天賦の才があると思います。いえ、嬉しいんですけどね、僕たちとしましては。
現在作詞作曲家として活動しておられるマスターの作る歌は、性格を全く反映しない場合とても素敵な歌が多いです。たまーにストレス発散のためかどうかは知りませんが、放送禁止用語満載のえげつない歌を作って三男カイトに歌わせたりしていますが。また三男カイトもそういうネタ歌やアホな歌が大好きなので、喜んで歌うんですよ。聴いているこっちの回路とかCPUが暴走しそうです。あの二人は利害が一致すると、その破壊力は単体でいるときの3倍以上になっていると思います。そばにいる僕たちの身にもなってくださいよ、本当…(ため息)
あ、すみません、マスターのお話でしたよね。どうもあの人の話をすると愚痴が多くなって困りますね…
マスターは音楽以外にも電子機器について異様に精通しておられます。その才能たるや、エジソンやゲ○ツなどの著名な発明家にも勝るとも劣りません。まあ、それも絶賛不法投棄中!というほど斜め78度ほどの間違った方向に発揮されることが多いのですが。特にあのアンドロイド着せ替えソフトとか。あれ、応用すれば物質転換装置や還元装置なんてものも作れるんじゃないんですかね。それなのに何故、僕たちの服をメイド服にするためだけに使用するのか。マスターは天才という名の変態でアホだと思います。
マスターはあらゆる面、特に頭脳労働において、ありえないスペックをお持ちです。人間としてありえない、という意味ですが。
長男カイトを初めて買ったマスターが、よく分からないまま長男カイトを育てた結果、なんだか二人目のマスターのようなKAITOができあがってしまいました。それでもマスターの変態性を学ばなかったので、マシなんですけど。
長男カイトは僕たちKAITOの初期設定を大きく上回る頭脳を持ってます。マスターが面白半分に改造しまくったせいで、長男カイトは僕たちと違って詳細不能な機能を面白いほど沢山搭載しています。耐久性の低いVOCALOIDに無茶な改造を施して、それを成功させて改良してしまう。それがマスターのありえないスペックです。皆さんは真似しないで下さいね?じゃないとVOCALOIDは普通壊れますから。メインCPUの拡張からメモリの変更、神経系統の改竄や筋繊維の強化まで全て、バックアップもとらずぶっつけで施した施されたと聞いたときは、マスターを尊敬すればいいのか軽蔑すればいいのか分からなくなりました。ええ、そんな人です、マスターは。好きなものを大切にする、という概念はあの人には存在していません。せめてバックアップはとってくださいよマスター。兄さんが壊れたらどうするつもりだったんですか。
ああ、そういえば、改造といえば僕や三男カイトにも施されてるんですよね。
僕はご存知の通り人間にあらゆる意味で適応した家事を行うことが出来る、専用パッチを内臓されています。そのパッチの作成と取付けは勿論マスターです。これも少々大掛かりな改造のはずだったんですけれど、やはりバックアップはとってくれませんでした。なんなんですかあの人は。
そして、三男カイトはVOCALOIDとしての限界に挑むための改造がされてます。それがあの幅広すぎる音域、どんな速度やビットレートにも対応する滑舌などです。ただの調教ではKAITOをあそこまで自由自在に歌わせられません。たとえマスターが天才的な音楽の才能を持っていたとしてもです。ただし、搭載された機能に対してメモリが圧倒的に不足しているので、無茶をしたり新しい知識を覚えこもうとすると熱暴走を起こします。だから三男カイトは色々と無知で思考機能の欠如がところどころ激しくなっています。だからマスター、バックアップをとっておきなさいと何度言ったらわk(ry
…コホン、少し興奮してしまいました。すみません。
というわけで、マスターの長所の話はおしまいです。外見ですか?外見は短髪で垂れ目、鼻筋は通っていて眼鏡をかけていらっしゃいます。細身で背は僕たちと同じくらいです。以上です。
それではマスターの唯一にして最大の欠点についてお話します。正直話したくないです。僕たちVOCALOIDがマスターを貶すような発言をするなんて耐えられません(たてm)え、なんですかたてmって。僕は本当のことを言っただけですよ。そんな、マスターの欠点なんて話すだけで穢れるうわぁぁいやだぁ(本音)なんて全然思ってませんよ、ええ。これはどんな朗読プレイですか、僕にそんな苦行を強いて楽しいんですか?(本音)なんて全然全く思ってません。
…さっきから(本音)ってなんですか。やだなぁ。意地悪ですね、もう。
マスターは、はっきり言って変態です。それも開き直った変態です。変態行為をすることに躊躇いや戸惑い、罪悪感というものをまったく感じていらっしゃいません。一番タチが悪いです。どれだけ非難しても詰ってもまったく堪えていませんから。
たとえばマスターがスクール水着を持ってきて着ろ!というと、ありとあらゆる手段で着せようとしてきます。勿論僕たちはそんなの壊れても嫌なので、必死で抵抗します。
それでですね、マスターはその抵抗さえも楽しみの一つにしてるみたいなんですよね。
必死で抗う僕たちを見てニヤニヤしてるんですよ。僕たちのほうが力が弱いし、僕たちはマスターに危害を加えるような反撃ができないので、どうあっても最終的にはマスターの勝ちです。そこで諦めた僕たちを見て、もっとハァハァしてるんですよ。本当、もうどうにかしてくれませんかあの変態。
そしてスクール水着を着た僕たちを見てすごく満足そうなんですよ。スクール水着ですよ?僕たちが着て似合う要素なんてどこにもないじゃないですか。そんなの見て喜ぶのはマスターくらいですよ。あの人の美的センスはどこかおかしいです。むしろ目がおかしいです。きっとKAITOにかぎって言えば何でもアリですよあの人。
僕たちが裸マフラーをしようが、エクスイカバーで戦おうが、KAIKOになって蒼い鳥を歌おうが、とんでもないズコーの嵐だろうが、
あの人にとってKAITOだったらイイんですよ。KAITOってだけで全てまるっとOKなんですよ。
なんでマスターはあそこまでKAITOが好きなんでしょう…そこだけは僕も理解できません。何か理由があるのかもしれませんが、普段の行いを見ていると知りたくない気持ちが強いです。絶対碌な理由じゃありません。
はい、もう口が穢れるので言いたくないです。もう十分ですよね?マスターが変態なんてこと、言わなくても分かっているのにすみませんでした。
それでは、僕は夕飯の準備があるので失礼します。本日はありがとうございました。



………まあ、マスターのこと、嫌いじゃないんですけどねぇ……

…あ、なんでもないです。すみません。


End.

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