@KAITOだらけのボカロ一家

□KAITOだらけのボカロ一家・その15
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KAITOだらけのボカロ一家・その15

こんにちは、または始めまして、次男カイトです。
今日は冷蔵庫の中身が乏しくなってきたので、お買い物に来ました。今日は何を作りましょう。
「マスター、今日は何が食べたいですか?」
人参を手にとってみると、どうやら1割引のようです。そうすると5本115円ですね。お買い得です。3袋ほどまとめて買ってしまいましょう。
「お前」
マスターがまた変なこと言ってます。いえ、怒ったらいけません。怒ったらマスターの思う壺です。手の中のピーマンがミシッと音を立てて半分に割れましたが、怒ってはいけないんです。
「……何が食べたいですか?」
「ナース服着たお前」
怒っちゃいけません、僕。
「……………何が、食べたいですか?」
「しつこいな」
アンタのがしつこいです。
なんですかナース服って。そんなものウチにはないです。マスターならどんな手段を使ってでも手に入れてそうですが、僕はそんなもの見たこともありません。
「あ、じゃあ今日はホワイトカレーにします。いいですね?」
調度調味料の売り場に差し掛かったので、、決定です。マスターのためにスパイスも別に買っておきましょう。僕たちの分はそれだけ甘くしたいんです。
「ホワイト…そうか、分かった。今日はナースカイトのホワイトカレー掛けだな。大胆だな、お前も」
「死ね、変態」
ああ、なんで僕はマスターを殴ってはいけないんでしょう。僕が人間だったなら、人権侵害で訴えられますよね、このセクハラ発言。
何を想像してるんですか。そんなの死んでもごめんです。絶対嫌です。断固拒否です。
それにこんな人目の多いスーパーで変態発言は控えてくれませんか。マスターが変態だと思われるのは別にいいんですけど、一緒にいる僕まで変な目で見られるのはすごく嫌です。僕がこんな変態の知り合いだとバレるのがすっごく嫌です。
「ままー。なーすふくってなにー?」
「しっ、見ちゃいけません!」
…ぁ、あの。いたいけな女の子がこっちを指差してます…しかもそのお母さんらしき女性が慌てて女の子を連れて行こうとしてます。
…僕が何をしたって言うんですか。泣きますよ?
「カイトー?どしたー」
「…いえ、改めて自分の身の不遇を嘆いていただけです」
「籠の半分アイスで埋めといて何言ってやがる」
それはいいんですよ。だって毎日食べたいんです。それに長男カイトと三男カイトの分もあるんですから、むしろ足りません。我慢してるくらいです。
「大体だな、お前らは俺のことを変態だって言うけど、具体的な行為に及んだことは一度もないだろうが!」
「ちょ、ちょっとマスター!?なんてこと言うんですか!」
慌ててマスターの口を塞ぐようにしても、マスターはひらりと避けます。
「○○○とか×××して△△△とか、やりたいと思ってもやってない俺に、むしろ感謝するべきだろう!」
「いいから黙ってください!これ以上何も言わないでください!!」
ほ、本当に信じられない!ここ、ご近所の知り合いも結構いるんですよ!?なんてこと言うんですか!馬鹿!変態!
これから先、どこに買い物に行けばいいんですか。もう恥ずかしくてこのお店に来れません!もしお隣さんが見てたらどうするんですか!
変態の知り合い、ではなく変態のお仲間なんて思われた日には、もう僕本当に死にたいです。
僕は商品の沢山入った籠を乗せたカートを押すマスターにそう叫ぶと、涙で潤む目を押さえて走りました。
「も、もう帰ります!マスターなんて知りません!」
「あ!おい!」
マスターはその商品を全部1人で持って帰ればいいんです。車に乗せるのに四苦八苦すればいいんです。袋からたまねぎとか零してせっせと拾えばいいんです。
マスターの馬鹿!
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