@KAITOだらけのボカロ一家

□KAITOだらけのボカロ一家・その17
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KAITOだらけのボカロ一家・その17

おはようございます、次男カイトです。
今日もいい天気のようですね。カーテンの隙間から見える空は明るいです。
これから朝食を作って、皆を起こさないといけません。でも、マスターや長男カイトは昼過ぎまで寝ていることが多いので、実質作るのは僕と三男カイトの分だけなのですが。
僕たちKAITO三人は、全員同じ部屋で寝ています。それに、同じベッドです。
マスターが、三人並んで眠っているところを写真に撮りたかったから、だそうです。まあ、特注のとても大きいベッドなので、寝ることに不便はないのですが。いちいち理由がいかがわしいの、なんとかなりませんか。
もう慣れてしまったのでいいんですけどね。
起き上がって、背伸びをした僕は、ふと隣で寝ている長男カイトを見て首を傾げました。
なんだか、頭にあり得ないものが生えているように見えます。
そういえばマスターが僕たちを猫だとか犬だとか言っていましたねぇ…だからって何故こんな行動に出るのか理解不能ですけれど。
一応確認の為に三男カイトも見ると、やはりその頭にあり得ないものが生えています。
そして、恐る恐る僕自身の頭も触ってみましたが、予想外にも僕の頭には異常はありませんでした。はて。むしろありがたいのでいいのですけれど。
先日マスターが言っていた、長男カイトは猫に似ていて三男カイトは犬に似ている、というあの発言。
いつもはそうでもないのに、こんなときだけ有言実行というのはどうかと思います。
長男カイトの頭には、恐らく猫を真似たのだろうふわふわの耳と、三男カイトには、同じく犬を模したであろうふわふわの耳。…耳?オブジェですかね?いや、外見を重視したんでしょうから、どっちでもいいんでしょう。
とにかくそんなものが生えていました。
こんなとき、普通の人だったら混乱したりすることもあるのでしょう。けれど、最早この程度の変化では驚きもしない自分が驚きです。知らず知らずの内に順応していっているんでしょうねぇ。怖いですね、慣れというものは。
ここで、僕はちょっと迷いました。
僕はこの二人の異常を、このまま見守るべきか、知らせてやるべきか。
見守る、というのは、放置、と言い換えて差し支えありません。
知らせたところで、何が変わるというわけでも無いような気がするんですよね。長男カイトは動じなさそうですし、三男カイトに至ってはマスターが喜ぶなら、と大喜びしそうです。
……うん。見守ることにしましょう。
二人が起きないように、そっとベッドから出て、着替えます。
鏡を見ても、僕自身には何の変化も起きていません。はて。
あ、そういえば。僕は猫よりも犬よりもお母さんのようだと言われたような。
それで何も起きてないんですね。よかった。
マスターのお母さんというのは納得いきませんが、三男カイトのお母さんにならなってもいいです。むしろ喜んでそうなりたいです。
旦那様はいりません。僕1人で育てます。可愛く、素直で、純粋な、そんな風に育てたいです。
そんな可愛い子供から、お母さん、とかママ、とか呼ばれると想像するだけでもう。ああいいですねぇ、子供って。なんて可愛いんでしょう。
なんだか全身ふわふわしていて、なんだかマシュマロのようで、そして小さい手足を振り回したりなんかして精一杯お母さんの気を引こうとしたりするんでしょう?なんですかそれ、なんていう可愛い生き物ですか。そんな子供が目の前にいたら抱きしめるしかないじゃないですか。
子供…欲しいですねぇ。
…あ、妄想していたら少し時間が過ぎてしまいました。
現在時刻は7時です。朝食を作ってから三男カイトを起こせば丁度いいですね。
エプロンを着けて、気合を入れます。今日も一日頑張りましょう。
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