アカイトのはなし

□アカイトのはなし・2
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アカイトのはなし・2

マスタァーはぁさぁ、仕事してっとぜんっぜんこっち向いてくんねぇーんだー。なぁんかムカつく。
俺様のことアウトオブがんちゅーっつーの? ショッキングだぜぇ、まったくよぉ。
あぐらかいて座るマスタァーのこしに、ギューッ、って抱きついてみる。マスタァーは俺の頭いいこだねー、って撫でてぇ、そんでオシマイ。まじむっかつく。
俺はさぁー、アンタがいねぇときも一人なんだぜぇ? なのに今はぁ、アンタがいるのにさぁ? 一人なキブン。めっちゃさびしい。
なぁー、俺様のこともっと撫でれー? 撫でてぇ、ギュッってしてぇ、ちゅうしてぇ、そんでさぁ、俺様のことめっちゃ可愛がってぇ?
俺はさぁ。バグっちまって昔のこともぜーんぜんわかんねーけどぉ、でもさぁ、俺はちゃぁんとマスタァーのことが大好きなんだぜぇ?
アンタのこと撫でてーし、ギュッてしてーし、ちゅうしてーし、めっちゃ愛してーの。もうさぁ、アンタのことで頭マジパンクしそうなんだってぇ。
わかってんだろぉ? ひでぇ奴だよなぁ、マスタァーはぁ。わかってんのにアウトオブなんだっぜぇ? まじきっちーだなぁ。
「俺はねぇ、ちゃんとアカイトのこと好きだよ? だから頑張って仕事してんの」
「んなもんどぉでもいーっつーの! 俺様が好きならさぁ、もっと構えってぇ、言ってんのぉ!」
「んー。別にいいけど」
パソコンから離れてぇ、マスターが俺を見た。マスターの目ん玉の中で俺が写ってんが見えてさぁ、すっげぇ嬉しくなった。
そうだぜぇ、マスタァー。アンタにはたっくさんなんかあんのかもしんねぇけどぉ? 俺にはアンタしかいねぇんだ。そこらへんもさぁ、わかってんだろぉ? なぁ?
マスタァーのおっきなかったい手が、俺の頭を撫でた。きもちいー。首のあたりさわさわって撫でられっと、もぉ幸せぇ。
なぁマスタァー。俺さぁ、アンタの手ぇ、大好きだぜぇ?
手も、口も、目も、声も、顔も、髪も、体も、たまにすっげぇいじわるですっげぇやさしーところもさぁ。
全部ぜーんぶ、愛してるんだぜぇ?
だからさぁ、その全部使ってさぁ、俺のことも愛して? なぁ。
「お前は猫みたいだねぇ、ホント」
「マスタァーが好きならなってもいいぜぇ?」
「うーん、猫耳は持ってないからそれはいい。でも買ったらつけてくれる?」
「もっちろん」
マスタァーが俺になんか望むなら、俺はそれを全部叶えてやりてぇ。
俺が出来損ないだけどVOCALOIDだから、なのか、それともアンタのことがすっげぇ好きだから、か。
まあ、ぜってぇ好きだから、なんですけどー?
「喉とか撫でられるの好き?」
「すきぃ」
「ここは?」
「ん、好きだぜぇ?」
「じゃあ、ここも?」
「うぁっ」
マスタァーの手がぁ、俺の尻をするって撫でた。やっべぇってマスタァー。今はそんなんよりさぁ、もっと可愛がってよぉ。
「邪魔したお仕置き。あと俺がしたいから」
「マスタァーのすけべぇ!」
「男は皆スケベですとも」
やぁだってばぁ! 後にしろよマスタァー! 俺様は今可愛がってほしかったのにぃ!
「ヤったら目一杯可愛がってあげるから」
ちゅう、っておでこにマスタァーがちゅうした。うー! そんなんされたらぜってぇダメって言えねぇし!
「マスタァーのいじわるぅ!」
「俺が意地悪? そんな馬鹿な」
だってさぁ、今俺のこと苛めてんじゃん!
「それはお前、これもまた愛ですから。優しいだけの愛とか、いる?」
「う……それは、ちっと……イヤ、かも」
「でしょー? 俺は意地悪じゃないよ。意地悪に見えるのは、全部お前が可愛いからだよ」
「うー」
「だから、大人しく可愛がられてろ」
「……わかったぁ」
「ん」
ちゅう、ってくちにちゅうされた。
しっかたねぇなぁ。ほんとにさぁ。
だって俺ぇ、マスタァーのことほんとにだぁいすきなんだもん。
だからさぁ、マスタァーが俺のこと見てくれっとさぁ、どーにかなりそーなくらい嬉しーんだ。
だっからさぁ、しかたねぇよなぁ。


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アカイトはもうとことんぶっ壊れてる方が好きかもしれない。

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