consultation room

□接触感応能力の幸せな使い方
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頂点を極め、未だ余韻冷めやらず整わない息もそのままにベッドに突っ伏した。

情事の後特有のけだるい空気。

賢木は乱れた髪の毛を更に自分でぐしゃぐしゃと掻き乱し、枕に顔を埋めて大きく溜息をついた。

「…賢木?どうし…」

「俺さあ。」

心配げに声をかける皆本の言葉を遮る。

「……お前とこーゆーコトすんの、嫌かも。」



全身を流れる、血が。



一気に冷水にかわったかと思うほどに冷たく感じた。



「な…に言って…賢木、」


耳の側でどくどくと音がする。
早鐘のようにうつ心臓の鼓動がうるさい。

確かに、自分たちは親友で、男同士で。
世間的に祝福を受ける関係ではないかもしれないが、皆本は賢木のことが好きだったし、彼も自分を好いてくれていると思っていた。

……そう、思っていたのは。

「ストーップ!!…そういうコトじゃねえよ、バカ!」

自分だけの独りよがりだったのか、と昏い考えに行き着きそうな皆本の顔面に、先程まで賢木が顔を埋めていた枕がヒットした。

「―――え?じゃあ、どういう…?」

不思議そうに問い返す皆本に、ベッドの上で胡座をかいた賢木は『あー』だとか『ゔ〜…!』だとか唸り声を上げながらぼりぼりと頭を掻きむしっている。

「あのなあ、皆本。…俺は接触感応能力者だぜ?それも超度6の高超度能力者だ。」

「はあ…そんなことは知ってるけど…それがどうかしたのか?」

何を今更。
それもこんな状況で。

「…それが?って…だから!ヤなんだよ!!…お前、こーゆーコトする時絶対俺のリミッター全部外すじゃねえか!」

「そりゃ外すけど…?」

賢木の言わんとすることが判らない。
頭の周りに?マークを飛ばしながら賢木を見れば、なぜか顔が真っ赤だ。

「ちっくしょ、この鈍感め…!!結局全部言わせんのか!


 ―――だから!リミッター外してすると最中のお前の感情が全部まるっとこれでもかってぐらい余すことなく俺の中に流れこんでくるから恥ずかしくてイヤだっつってんの!」

言い切った!!とばかりに真っ赤な顔。

「はあ。何でそれが嫌なんだ?」

「は?!おっ前なあ!!ホンットもろに流れこんでくんだぞ?!
その、お前が、俺のこと『可愛い』だとか『好きだ』とか『賢木はここが気持ちイイんだ…』とか最中に思ってんの全部!!
毎回そんなの透視まされる俺の身にもなれよ恥ずかしい!
お前俺のこと好き過ぎるだろ!?」

「いいじゃないか、君が可愛いのも僕が君を好きなのも事実なんだから。」

何か問題でも?と首を傾げる皆本に二の句が継げない。

「せっかく君に接触感応能力があるんだから、言葉だけじゃなく全身で僕の気持ちを受け止めてもらう良いチャンスだろ?
そのためにリミッター外してるんだぞ、僕は。」


あ、ダメだ。

俺、コイツには一生勝てねーわ。


嬉しいやら恥ずかしいやら呆れるやら、何だかバカバカしいような気すらしてくる。
しかしこうやられっぱなしなのも悔しくて。

「…そーだな。もしお前も接触感応能力者だったら、俺がどんだけお前のこと好きかって教えてやれるのにな?」

にやりと笑って、視線を合わせて。

対する皆本は先程賢木に向かってあんな台詞を恥ずかしげもなく吐いたくせに、顔を真っ赤にしてぱくぱくと金魚のように口を開閉している。

ギャップがありすぎて、本当に困る。
これじゃあますます惚れなおしてしまうじゃないか。

あんまりにも彼が可愛いから、今どんなコトを思ってるのか透視んでみたくて。


ゆっくりと手を伸ばし、皆本に口づけた。



END


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ば か っ ぷ る!!
皆本さんがキザなのかバカなのかド天然なのか微妙です(おそらく全部)
でもサイコメトラーな賢木先生なら、コトに及んでる時相手の感情透視んじゃってイロイロ大変そうだよねっていう。
……そういうシーンを裏作って書いてみたいです。
誰か書いてー!(他力本願)
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