Novel

□幸せの足音
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ー新着メール1件。
12月5日の午前0時ジャストにメールが1件届く。
相手は俺の部活の先輩であり・・・恋人、芥川慈郎。

“若、誕生日オメデト”

たった1行のメールだけど、とても嬉しい。
ー否、本当は違う。
・・・恋人なんだから、直接言って欲しかったー。
こんな事を思うなんて俺はどうかしてるな・・・。

そんな事を考えていた俺だが、とりあえず
“ありがとうございます”
とだけ返信をして俺は床に就いた。

ー翌朝。

メールを見ても、ジローさんからのメールは来ていない。
いつも、俺から切るのであって、ジローさんからメールを切ることなんてなかったのに・・・。
代わりに、他のテニス部メンバーから何件か届いていた。

“誕生日おめでとさん、日吉v恋愛相談だったらいつでも受け付けとるからな♪(忍足)”
・・・ウザい。毎日こんなテンションを相手にしてる向日さんに心底同情する・・・。

“若、誕生日だな!おめでとよ!ジローと仲良くな!(宍戸)”
普段ならスムーズに礼が言えそうな内容のメールだが、今の俺にとっては凄く辛い内容かもしれないな・・・。

他にも、何通か来ていたメールを一読し、俺は家を出た。
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