連載 夢小説(戦国BASARA)


□今夜、月のなる頃に
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今夜、月のなる頃に 004
発行日時:11/11 12:33:09
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正直武術の心得なんてない

運動神経もいいほうでもない

でもなんにもしないでいるのも嫌だった

別に惜しい命でもない

この人たちさえ逃がせればそれでいい

私だけでもなんとは時間稼ぎにはなるかもしれない

無我夢中だった

でもなんでだろう

なんか自分の予想よりも自分の体が軽い感じがした

鍛冶場のばか力っていうやつなのだろうか

切られるって思った瞬間、頭よりも先に体が反応してそれをかわすことができた

体が軽い
そのまま勢いだけで2、3人倒すと、野盗と女性の間にかばうように割り込む
「貴方は?」
とその女性が話かけてくる
女性というよりは少女のような面立ち
そして可愛い声
なんて答えたらいいんだろう?
通りすがりのものです、なんていうのもなんかくさいしなぁ…とりあえず
「早く今のうちに逃げなさい」
そういって残りの野盗に向かって飛び掛った



その大捕物は数分か数秒か
長いようであっという間だったような気がする
この人たちは見た目だけだったのだろうか?
こんな大人数を倒せた自分の方が正直驚いていた
鍛冶場のばか力恐るべしと言う所だろうか
ふうと息を吐き、体の力を抜いた
くると振り返ると、その女性はまだその場にしゃがみこんでいた
気絶こそしてないものの、この人も腰を抜かしてしまったのだろうか?
着物もそうだけど、雰囲気もどこかのお嬢様のようなオーラを持った人だった
そっと近づいた
警戒されるかな、とも思ったけどそんな様子はなかった
しゃがみこんでその人と同じ目線になる


「お怪我はありませんか?」
「ええ、大丈夫です。あの、危ない所をありがとうございました」
俯かれてしまった
怖い思いしたから仕方ないかな
という、私も今になって無謀なことしたかな、とちょっと震えがでてきた

ん?

視界の隅、自分の頬のあたりになにかが見えた、ぴたっとなんか冷たいものが頬にあたる
刀???

「その方から離れろ」

どすのきいた声
振り返るわけにもいかず、動くわけにもいかず硬直する

「義助、やめなさい!」

俯いていたその人が顔をあげ自分の後ろを強い視線でみながらいった

「しかし姫様」

「貴方が気絶している間に、この者たちを倒して助けてくださった方なんですよ。無礼です」

そういうと刀がすっときえた

おそるおそる振り返ると、先ほど倒された武士さんだった

しぶしぶというような顔をしてこちらを睨みつつも刀を閉まった

なんだか…

とにかく

歓迎されて無いのは事実のようだ
手に持っていた棒をそのまま放り捨てると
「では…」といってその場を離れることにした
とりあえず悪い人たちは伸びてるし、武士さんも気絶していた人も目を覚ましたようだし大丈夫だろうと


「待って下さい!!!」
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