戦国BASARA〜藍紅流麗〜
□戦場と決意
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早朝…
伊達屋敷中庭。
ヒュッと空を切る音が、
一つ、二つと鳴ったのだった。
その音の元は、陽光を浴び鈍い光を見せていた。
藍由弥はそんな刀をじっと見つめ、
静かにそれを握り締める力を強めたのだった。
逆刃の刀。
それは藍由弥自身の決意だ。
「……ふぅ」
静かに吐き出されたため息の後、
藍由弥は辺りをゆっくりと見回した。
―――――数多の氷があたりに刺さっていたのだった。
「これで完璧、だな」
万全、とはいえないだろうが。
戦うためには手数がそろったともいえる。
此処最近は戦も起こっていないらしく、
藍由弥が自らの技を鍛え上げるには十分の時間があった。
(…アイツは、どこまで進んでるんだろう)
同じ空を見上げているであろう、
あの美しい紅は何を見ているのだろう。
どこまで、距離が開いたのだろうか。
(…早く、追いつきたい…―――――)
04:戦場と決意
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