戦国BASARA〜藍紅流麗〜

□氷の意思
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昔から、嫌いだった。
争うことも、戦うことも、傷つくことも、傷付けることも。



そんな自分を臆病だと、誰かが言ったけれど師匠はそれが藍由弥の長所なのだと笑ってくれた。
その長所はいずれ、誰かを助ける力になってくれるだろうと。






















「ねぇちゃんもお侍なんだな…」



























この子は傷ついている。

たくさんのものを失って、どうしていいかわからなくなっているんだろう。





藍由弥はソッと逆刃刀を構える。
パッと見ただけでは、普通の刀と見た目だけは相違ないこの刀は、いつきを刺激するだけだとわかっていたが構えないわけにはいかない。
落ち着いた様子で、藍由弥は息を吐き出していつきを見た。





ゲームをしていて、いつも思っていたが…
この華奢で小さな少女に似つかわしくない大きな、重そうな木槌だ。

――――コレが、いつきの背負っているものなのだろうか。

























藍由弥が険しい顔をしている後ろでは、政宗と小十郎が成り行きを見守っていた。
小十郎は何か思案気であったが、政宗はことの行方を楽しんでいるようだった。

藍由弥という"矛盾"を抱えた存在が、ここをどうやって収めるのか…
それだけが政宗の今のもっぱらの興味だった。


























「さぁて…どうなるか」


























政宗の小さな呟きは、
二人の得物が交わった音でかき消された。

























の意思

























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