怪盗クイーン
□最強の小悪魔
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「今日はここまでだ」
皇帝は稽古(もしくは虐待、いじめ)を終えた
誰も近寄らないこの広大な山奥が稽古場所
弟子のクイーンと向かい合っていた
「よく耐えたな」
珍しく弟子をほめた皇帝だが向こうから返事は帰ってこない
「…聞こえてるのか、クイーン?」
そのとたん、クイーンがふらりと倒れた−
否、皇帝が凄まじい速さで抱き抱えた
「おい、大丈夫か!?」
「頭が痛いです…」
カの泣くような声で返事が帰ってきた
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ったく、心配させやがって」
皇帝は医者の言葉を思い出す
「ひどい熱ですねぇ
疲れがたまっていたんでしょう」
皇帝はあの後すぐ病院に連れて行っていたのだ
「何日か安静にしてれば治るだとよ
健康管理くらいしとけよな」
なおも文句を続ける皇帝
皇帝の背中で眠るクイーンがふと呟く
「…お師匠さまの背中温かいです」
さらにしがみついてくる
皇帝は心臓の鼓動が速くなるのがわかる
「くそ…怒れねぇな」
それから数日間皇帝が献身的に看病したのは言うまでもない
(その一言で離れられなくなってしまう)
最強の小悪魔だ。