戦国BASARA
□家来じゃなくて
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「小十郎。」
腹心の部下に、政宗は呼びかけてみる
「はい、何でございましょう?」
「お前にとって俺は何なんだ?」
予想はついていた
それでも政宗は答えを聞きたかった
「私の大事な主君にございます
一生涯をかけてお仕えします」
なぜそのようなことを、と小十郎は首を傾げる
やはり予想通りの答えだ
「そこまで俺に尽くすのはなぜだ」
「幼き日の政宗さまに主君としての聡明さ、力量を見ました
お苦しみになられるあなたをも見て、
全てを尽くしてお守りしようと思いました」
その言葉は政宗にとって辛かった
政宗にとって小十郎は何よりも大きな存在だ
そう家来なんてものより−
「…政宗さまっ」
気がつけば政宗は小十郎を引き寄せていた
「俺は何よりお前のことを…家来としてじゃなくて…」
うまく言えない…
思いきって一言で叫ぶ
「俺は小十郎が欲しい!」
目の前の顔が笑顔になった
「私もです…政宗さま…愛してます」