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□僕の彼女は可愛い
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あおいが髪型を変えのには、今朝会った瞬間から気づいていた。
でもまだ髪についてふれていない。
だって、可愛いから。
今日は僕の部屋で勉強会。
だけど真面目に机に向かってるのは僕だけで、あおいはベッドにうつ伏せていじけてる。
「かなたくん」
あおいは、むくっと顔を上げた。
「なぁに?」
「なんでもない」
ぽふっと、枕に顔を埋めてしまう。
あおいは、僕の匂いが好きだとよく言っている。
今まで自分の匂いに気を遣ったことがなかったので、初めのうちは少し恥ずかしかった。
あおいは暇になったのか、僕の横にちょこんと座った。
僕の教科書をペラペラとめくりながらぶつぶつ言っている。
時々髪を気にする仕草をするのが、可愛くてたまらなくなり、ついに僕はくすっと笑ってしまった。
あおいは不思議そうに僕を見つめる。
「可愛すぎますよ、あおいさん」
あおいの肩を引き寄せ、髪を撫でる。
真っ直ぐだった黒髪が、今はやんわりと無造作にはねている。
こんなに変わって、僕が気づかないはずないのに。
僕の彼女は可愛い
(本当は最初から気づいてたよ)
(……かなたくん、きらい)
(それはそれは)
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'10 08.07