短編集

□永久就職
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『綱吉、綱吉』

「何だよ」

『あのね、私高校卒業したらとあるところに永久就職しようと思うの!』

「永久就職?そんなのあんのかよ」

『あるある!』


人をバカにするのもいい加減にしろよなと思いながら話を聞き流す。

今は、高校三年生の夏だ。

そろそろみんな進路が決まるころであろう。

俺は別にもう決まってるから悩むことなどなく休みを満喫している。

隣に住む幼馴染のバカは、就職を希望してるらしい。
しかも永久就職だとか言ってやがる。

そんな保障、どこにあるんだっつーの。

「お前な、世の中そんな甘くねーぞ」

『バカにしてるでしょ!』

「当たり前だよ。
お前みたいなバカを雇う会社があるとは思わなかったよ、しかも永久になんて」

『バカバカうるさい!


てか、私会社に就職するわけじゃないけど?』

「は?!
じゃあ、あれか。ニートに永久就職か!」

『ニートになんかなるか!

お嫁さんよ、お嫁さん!』

「ふーん、あっそ。

・・・は?」

『反応鈍いな、おい!』

「お嫁さんって、誰がお前を嫁に迎え入れるんだよ!」

『綱吉に決まってるでしょうが』

「・・・は?ぱーどぅん?」

『だーかーらー!

つ・な・よ・しのお嫁さん!』

「やべ、年かな・・・。
幻聴が聞こえるよ・・・」

『幻聴じゃない!私が言ったの!
ちなみに奈々さんと家光さんからの承諾は得てます!』

「はぁぁ?!」

『婚姻届ももちろん準備してあるよ!』

「はぁぁぁぁ?!」

『あとは綱吉の誕生日がくれば結婚できる!』

「・・・もういいです」



永久就職
(ある意味)(プロポーズされちゃったよ、俺)

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