短文

□suspect(疑い有り)
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「センパーイ、起きてください」


「んー・・?」


目の前には大きな蛙。



「うわっ!・・か、カエル?」


「カエルじゃありませんー。フランですー」


頬を膨らませながら睨まれる。


「全く、何時まで寝てるんですかー?
任務忘れてませんよねー?」


「忘れてねーって!で、今何時?」


そう言えば、フランは呆れ顔をする。


「12時20分ですー」


「・・マジ?」


冷や汗がつーっと流れる。


集合時間は30分で、いつも5分前行動だから
もう部屋を出なければならない。


「もっと早く起こせ!」


ナイフを数本投げる。


「ゲロッ」


フランは涙目になりながら痛いですーと言う。


ったく、ナイフ刺さったら死ねよ。


「お前起こさなかった罰で、王子の支度手伝えよ?」


「嫌ですー。起きないセンパイが悪いんですよー?」


「・・うっせ!センパイ起こすのはコウハイの役目だろ?」


嗚呼、こんな口喧嘩してる場合じゃねーし。


「兎に角手伝え!」


「ちぇー」


渋々動き出すフラン。


「王子の隊服取って?」


「めんどくせっ・・」


ブツブツ文句言いながら隊服を渡される。


「あとはー・・」


「はい!もう用意しました。早く行きますよ?」


いきなり荷物を渡される。


・・コイツ初めから用意してんじゃん。


「ほら、行きますよ」


そう言われ、手を引かれながら廊下を走る。





「お前用意してたんだろ?」


「・・・・してませんー」


そういうフランの耳は赤かった。


「ししっ、顔赤いぜ?」


「無駄口叩いてないで速く走ってください!」



そんなコイツを可愛いと思ってしまうのは恋なのだろうか?







→あとがき
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