短文

□冬の温もり
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ー1月中旬


ヴァリアー本部、イタリアは死ぬほど寒かった。


だが、昨日の戦闘で暖炉は消え、蝋燭とランプが数個しか残っていなかった。


「さみぃー」


そう言いながら、毛布に包まったベルセンパイが部屋に入ってきた。


可愛いですー・・
嗚呼、今すぐ襲いたいn


「声出てんだけど」


声と一緒に冷たい視線が向けられる。



「あ!すいません、つい」



「蛙、どーにかしろよー」


顔だけ出して、ソファに座ったセンパイが無理強いしてくる。



「無理ですー、ミーに言わないで下さいよー」



「幻術で暖炉とか出せよー」


「幻術って疲れるんですよー。
無理ですー」


「チッ・・つかえねー」


ベルセンパイはミーの毛布まで引っ張り出してる。


本当、この人寒がリだなぁー


ミーは隊服だけでも十分乗り切れるのだが、この細っこいセンパイは無理らしい。


本人は冷え性がどーとか言ってるけど。



「・・あー、じゃあ、暖かくなることしますかー?」


にやっと笑いながら言ってみた。



きっとナイフが飛んでくるんだろうと思い身構えると、痛みは来なかった。


痛みの代わりに冷えた腕が巻きつけられる。


「・・?」


「寒いから」


センパイの言い方は乱暴だが、赤く染まった耳が全てを無駄にしていた。


「王子の命令!俺を暖めろ」


「・・仕方ないですねー」


ミーたちはベッドに移動し、甘い夜を過ごしたのでした!




(まさかセンパイから誘ってくる日が来るなんて思いませんでしたよー)
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