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□Long Kiss Good Bye
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十四郎さん・・・私はいつからあなたのことが好きだったんでしょう・・・?
いつの間にか好きになってたみたい。
だって自分でも気づかなかったもの・・・

Long Kiss Good Bye

十四郎さん・・・いつもそばに居てくれましたね。
十四郎さん・・・ぶっきらぼうでふてぶてしくって、とっても不器用だったあなた・・・
でも
とっても優しくって・・・そんなあなたに惹かれたみたい。
本当に好きだったの。愛していたの。なのに・・・

離れていってしまうのね・・・

言っちゃいけない。分かっているの。
でもね
思いが溢れてしまうの・・・。
言ってもあなたを困らせるだけなのに・・・
分かっているのに・・・「好き」の気持ちが溢れて止まらないの。

「私・・・みんなの・・・十四郎さんのそばにいたい・・・」

好きなのよ。偽りなんかじゃないの。

「知ったこっちゃねーんだよ。お前のことなんざ・・・」

分かっていたのに・・・どうしてこんなに悲しくなるの・・・?
本当に去ってしまうのね。

私を置いて・・・

分かっていた結果なのに・・・どうしてこんなに切なくなるの・・・?
どうして涙が出てくるの?
どうして零れ落ちてしまうの・・・?
これも「好き」って気持ちだから溢れてしまったの・・・?

――――私なりに愛されたい 溢れるのに君が見えない
       二度と君に会えない そんな気がするんだ・・・
        伝えたいのに上手い言葉見あたらい私たぶん・・・
         嘘でもいいのに・・・「行かないで」も言えないよ――――



時はたって・・・まためぐり合ってしまうのね・・・
“運命”だなんて思ってるのは私のほうだけ・・・
ただの“偶然”とあなたは思っているのでしょう・・・?

それでもいいの。

会えたから。

めぐり合えただけでいい・・・

たとえ“偶然”でもいいの・・・

だって会えたでしょ・・・?


目の前が真っ暗になる・・・



せっかく会えたのに・・・また病院で過ごす日々。
十四郎さんに会いたいだなんて・・・
ただの欲張り。

なんだかもう・・・このまま会えないような気がするの・・・

こんな私の気持ちも知らずに時はゆっくりと流れていくのね・・・


・・・


・・・息が苦しい・・・

総ちゃんが目の前で・・・泣いている・・・

そっか・・・私はもうこの世に居られないのね・・・

なんとなく・・・そんな気がしていたわ。
総ちゃん・・・ありがとう。

そして何より・・・十四郎さん
最後に会いたかった・・・

でもね。
私は信じています。
どこかで私のことを思い出してくれてるって・・・
泣いていて欲しいなんて欲張りなことは言いません・・・
ちょっとだけでいいんです・・・思い出して欲しい。

・・・まぶたが重い・・・

きっと今、目を閉じればもう・・・開けることはできないのね・・・

最後に会うことはできなかった・・・

でも、ありがとう。
あなたと過ごした日々・・・最高の宝物です。

本当にありがとう・・・
そして、さようなら・・・

そして・・・愛しています・・・








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