BL・Story

□S
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「沖田ああああぁぁぁ!!」
「はーい?」
「てめぇ、いい加減にしろや!?」
「……何がですかぃ?」
「授業さぼるわ、授業出たと思ったら寝てるわ…」
「あぁ。そうゆうことですかぃ…」
「放課後、国語準備室に来い!他の先生に言ってでも抜けられないようにしといてやるからな!」
「…分かりやした。来るんで無駄な心配しないでくだせぇ。」
「…ったく。」


放課後、俺はしぶしぶ国語の準備室に入った。


「…よし。来たな。」

と、言うと突然俺を抱きしめた。

「…どうしたんです…なっ…」

銀八は油断していた俺の手をタオルで結んだ。

引っ張っても取れそうにない。

「ドSのおまえとしては屈辱的だろうなー。こんなことされて…」
「……くっ」

俺が顔をしかめていると、銀八はフッと笑って顔を近付けた。


――キスされる……。


そう思って本能的に目を閉じたがなかなか唇が重ならなかった。

あれ?と思って目をあけると目の前に銀八の顔があった。

「…してほしいんだ?」
「なっ…」

確かにいつのまにか求めていた…

だけど、これは…

「ご希望どおり…気持ち良くしてやるよ…」
「…んっ…。」

違…う……はず…なのに…
銀八の舌が口に入ってくる。
俺も負けじと舌を潜り込ませるが、すぐに絡めとられてしまう。

俺はSだ。
だから、思ってねぇはずだ…。

「ふっ…気持ちいいのか…?」

気持ちいいなんて…

「…はぁ…はぁっ…。」

なのに…俺は…何で息があがってるんだ…?

「もっと…てめぇの甘い声を聞かせろよ…」
「なっ…何を…」

「なんなら、最初…抱きしめるところからやるか…?」
「……。」
「いや…せっかく手ぇ縛ってるし…一気にやるか…?」

おかしい…
俺はSですぜ?
何で…早くやってほしいんだ…?
これじゃまるでMみてぇだ…

「…銀八……」
「何だその顔…。…ははーん?早くしろってか?」
「…そっ…そんなんじゃ……」
「分かりましたよー。じゃあ、後者で…一気にいくぜ」
「…あっ…銀八っ…」

俺はSですぜ…?
こんなこと思っちゃいけねぇ…
でも……

こんなことならサボりも悪くない……かもしれやせんね…




→あとがき...
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