LOVE

□涙雨
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雨がしとしとと降る朝‥



雨音だけが響く部屋では、それだけがやけに大きく聞こえる。



『‥‥ん‥』



ラクスは真っ白いシーツにくるまれて目を覚ました。



眩しさに目を開けられず、雨音だけを耳にしながら、右腕を伸ばした。



シーツの上を滑らかにすべり、冷たさが伝わる。



『あす‥らん?』



隣にあるはずの温もりがなくて、眩しさに目を細めながらも慌てて見開く。



『‥‥アスラン?』



やっぱりそこには、温もりがなくて。



どこにいったのかしら?
シャワーでも浴びているのかしら?
なんて思考は生まれなくて、ただ、アスランがどこかへ消えてしまったような気がして、急に不安な気持ちが込み上げる。



『アスランっ!』



ラクスは寝起きの少し掠れた声で叫んだ。



底知れぬ不安感から涙が頬を伝う。



空色の瞳から零れ落ちた涙は、初めこそ温かかったが、冷たい外気に触れて一気に冷える。



溢れ出した涙は止まることを知らなくて。



まるで、窓の外に見える雨のようにしとしとと流れ落ちた。



『‥‥ふっ‥‥っ‥う‥』



訳も分からず流れる涙は止まるどころかだんだんと大雨のようになってきた。













そのとき、カチャリと音をたてて開いた扉の向こうにラクスが焦がれていた人が現れた。








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