珊瑚色の絵本
□第7話 忍の少女
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「駄目、ですか?」
「…駄目だ」
「どうしてもですか?」
「…う、だ、駄目だ!」
係員さんがそう言い、私は通用門から追い出される。
私がいたのはヤマブキシティの西側通用門。
そして、さっきはヤマブキシティに入ろうとしていたんですけど…。
「まさか入れないなんて思いませんでしたね」
1人呟き、私はタウンマップを開いた。
「ヤマブキが、駄目なら…」
指で地図を辿りながら、私はふう、と息を1つ吐いた。
「次は、セキチクに行きましょうか」
次に行ける街ですから。
言い、私はタウンマップを閉じた。
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