珊瑚色の絵本
□第8話 炎の鳥
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アンズさんと分かれ、次の町―グレンタウンに向かっていた私はその最中に見知った赤い少年を見つける。
ハクアから手を離し、海にミヤビを出し、その上に私は降りる。
ハクアをボールに戻した私は、レッド、と少し大きめの声で彼を呼んだ。
「あ、コーラル!」
レッドの乗っていたギャラドスに近付き、私は「お久しぶりです」と彼に言った。
するとそうだな、と彼は笑って返す。
ところで…。
「レッドってギャラドス持ってましたっけ?」
「あ、いいや。こいつはさっきハナダのジムリーダーから貰ったんだよ。な、ギャラちゃん」
「ハナダのジムリーダー…、カスミさんですか」
成程、彼女なら友人の為ならするでしょうね。
そう言って笑えば「知ってるのか?」とレッドが問う。
「ええ、エリカさんの紹介で」
「そう言えばエリカの知り合いなんだよな」
前にエリカが言ってたもんな。というレッドに私は少し苦笑し、進行方向に目をやり、眉を顰めた。
「レッド、あれ」
「ん!?なんだ、ありゃあ!」
そこに見えたのは、島の一角から炎が上がる光景。
火事、でしょうか?
そう言った私の言葉に「うーん」と考えたレッドは顔を上げ、「よし!」と言った。
「見に行ってみようぜ!」
そう言ってギャラちゃんの進む速度を速めたレッドに私は小さく笑い、彼を追いかけた。
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