珊瑚色の絵本

□第9話 消えた人々
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カツラさんと別れ、今向かっているのは汚れなき白の町―マサラタウン。

ヤマブキシティに入るためにオーキド博士の知恵を借りようというレッドと一緒に私は21番水道を「波乗り」している。



「この21番水道を抜けたらマサラタウンですね」

「ああ。まずは博士の所へ行かなくっちゃな」



そう言ってギャラちゃんの泳ぐスピードを速めたレッドに小さく微笑み、私はぽん、とミヤビの背を軽く叩いた。



*****



「昼間なのに…、誰もいないんですね…?」

「みたいだな…。おかしいな、いつもなら子ども達が遊んでるはずなのに」



そうでなくても人っ子1人いないなんて…と言うレッドに私は「そうですよね」と返す。

マサラタウンに着いたは良いものの、町の中に人っ子一人いない状態だった。

家の中にいる気配さえしないというのは少し…いや大分おかしい気がするんですが…。



「あ、ここ博士の研究所だぜ」



そう言って目の前の建物のインターホンを押したレッドは「…博士もいないのか?」と言いながら扉を開けた。

…鍵がかかっていない?



「博士ー!」



研究所の中にいた白衣の老人…博士と呼んだからにはあの方がオーキド博士なんでしょう。

その人へとレッドは駆け寄り、図鑑の進みは順調だのヤマブキに入れないだの話しかけていた。



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