珊瑚色の絵本
□第9話 消えた人々
1ページ/4ページ
カツラさんと別れ、今向かっているのは汚れなき白の町―マサラタウン。
ヤマブキシティに入るためにオーキド博士の知恵を借りようというレッドと一緒に私は21番水道を「波乗り」している。
「この21番水道を抜けたらマサラタウンですね」
「ああ。まずは博士の所へ行かなくっちゃな」
そう言ってギャラちゃんの泳ぐスピードを速めたレッドに小さく微笑み、私はぽん、とミヤビの背を軽く叩いた。
*****
「昼間なのに…、誰もいないんですね…?」
「みたいだな…。おかしいな、いつもなら子ども達が遊んでるはずなのに」
そうでなくても人っ子1人いないなんて…と言うレッドに私は「そうですよね」と返す。
マサラタウンに着いたは良いものの、町の中に人っ子一人いない状態だった。
家の中にいる気配さえしないというのは少し…いや大分おかしい気がするんですが…。
「あ、ここ博士の研究所だぜ」
そう言って目の前の建物のインターホンを押したレッドは「…博士もいないのか?」と言いながら扉を開けた。
…鍵がかかっていない?
「博士ー!」
研究所の中にいた白衣の老人…博士と呼んだからにはあの方がオーキド博士なんでしょう。
その人へとレッドは駆け寄り、図鑑の進みは順調だのヤマブキに入れないだの話しかけていた。
_