煌めきの欠片
□第5話 獣の数字
1ページ/5ページ
(霧が晴れない…。どういうこと?)
晴れない霧をじ、と見上げていると、枢ーと呼ばれる。
何、と振り返れば八神がこっち来いよと手招きしていた。
「俺とミミちゃんだけ知っててもしょうがないだろ。とりあえず自己紹介しようぜ」
「あぁ…。そうね」
足元のテリアモンとロップモンを抱えて、私は口を開く。
「常緑学園初等部6年、菅原枢よ。この子達は私のパートナー」
「僕はテリアモンさー」
「我はロップモンなり」
よろしく、と一言付け加える。
直後に彼等からも自己紹介をしてもらう。
こういうときは自分の記憶の良さに感謝するわ。
「ところで、菅原君ってもしかして、あの天才少女の菅原君かい?」
「…まぁ、そう呼ばれてるわ」
あまり好きな呼称ではないけど、なんて内心で呟く。
天才少女と私を呼んだ眼鏡をかけた少年、城戸は「すごいな!」と言って驚いた。
_