黒と白の姫君
□第1話 呼び声
1ページ/4ページ
会いたいと思い続けた。
会いたいと願い続けた。
そう、君に会いたいと。
*****
「…?」
空耳、だろうか?
漕いでいたブランコを止めて、空を仰ぐ。
「冬架?どうかしたのか?」
「勇人。…ううん、気のせい」
幼馴染の一人である勇人にそう言って笑いかけ、私はブランコから降りる。
「そろそろ、帰る?」
「…あー、そうするか?」
こちらとは離れた場所にいる他の幼馴染3人に声をかけようと、勇人が口を開く。
が、眉をひそめて、口を閉ざした。
「勇人?」
「…え、この声」
私の声が届いていないのか、茫然としたように勇人は何事かをつぶやく。
_