珊瑚色の絵本

□第8話 炎の鳥
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島にたどり着き、崖を登れば、そこにいたのは黒服の大人達―ロケット団がいた。

カタカタと僅かに動いたのはヤイバのボール。

まあ、人を見るなり斬り付けてしまうのはロケット団が原因ですから仕方ないんでしょうけど…。

落ち着かせるようにボールを撫で、私は再度ロケット団を見る。

炎の元はどうやらギャロップとウインディのようで。



「そう言えば、グレンのジムリーダーは炎のエキスパートでしたね」



そう呟いた直後、不意に炎が迫って来た。

私は慌てて避けたものの、対応しきれなかったレッドが反射的に声を上げてしまう。



「あ、レッド!」

「げ…」



その声に気付いたロケット団の人達が一斉にこっちへやってくる。

そして彼等が上げた気になる一言。



「なんだ、こいつ等!」

「カツラじゃないぞ!」



カツラ…?

人の名前でしょうが、どうして彼等がその人を…。

探して、いるのでしょうか。



「待て!」



そう言って現れたのは白衣を着た男性。

カツラ、と呼ばれたことから恐らくこの人がロケット団の探していた人達。

そして彼等の話から出た「裏切り者」という言葉。

それは男性を元ロケット団であるという事を示す言葉で。



「オイ!」



不意に聞こえたレッドの声。

彼に目を向ければ、ボールを後ろでに持ち、開閉スイッチを押していて。

そのボールから出てきたのはギャラちゃんだった。



「おじさん今だ!」



すると、白衣の男性がギャロップに乗り、レッドを担ぐ。

目で促され、私は目の前に走ってきたウインディに飛び乗る。

そして、私達は森の中へと逃げ込んだ。



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