珊瑚色の絵本
□第8話 炎の鳥
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「ありがとう、助かった」
そうお礼を言った男性は、自分の名前を名乗る。
「私の名はカツラだ。君達は?」
「俺はレッド!で、こっちは…」
「コーラルです」
手短に自己紹介を済ませると、レッドがカツラさんに何故ロケット団に追われているのか、カツラさんに問い掛けた。
するとカツラさんはそれに。
「ああ…、私は…元ロケット団の科学者だ」
「えええー?ロケット団!?」
レッドがカツラさんの言葉に驚き混じりに叫ぶ。
でも、これでロケット団の方々が言っていたことに合点がいきました。
けれど、それならどうして…?
どうして、ロケット団を辞めようと思ったんでしょうか…。
そんなことを考えていると、ひゅ、と真横を何かが通り過ぎる。
熱を放つそれは、炎。
後ろを見れば、迫って来ていたのは炎の塊。
その塊は絶えることなく小さな炎の塊を放ってくる。
「スピードを上げろ、ギャロップ、ウインディ!」
スピードを上げたウインディに私はぎゅ、と掴まる。
「逃げてちゃ駄目だ!!おじさん、とにかく反撃をしよう!」
そう言ってレッドは自分のボールに手をかけ、ニョロボンのニョロを繰り出す。
そして放たれた『水鉄砲』。
けれど、その炎の塊はそんな水をものともせず、私達の前に回り込んでくる。
そして姿を現したそれに、私は息を呑む。
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