珊瑚色の絵本
□第2話 赤の少年
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「私はこの子達にとって1番のトレーナーになりたいです」
沢山いるトレーナーの中で1番じゃなくて、大切な存在の中で。
「私にとって、何より大切なこの子達に1番だと思われるようなトレーナーになりたいです」
私の言葉に彼は笑う。
「君なら絶対良いトレーナーになれると思うぜ?俺が言えた事じゃないけどさ」
「そんなこと無いですよ」
私はミヤビの体を撫でながら言う。
「きっと貴方も最強のポケモントレーナーになれますよ」
そう言った私を見て、彼は「ありがとう」と笑った。
「そうだ!名前教えてくれよ!」
「名前、ですか?」
「ああ!俺はレッド!君は?」
彼―レッドの言葉に促されるようにして私は口を開く。
「コーラルです」
私は、コーラルと言います。
私は笑ってそう言った。
人に名前を名乗るのに、こんなに嬉しい気持ちになった事は無い。
どうして、でしょうね。
きっと彼が優しいからですね。
ええ、きっと。
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