珊瑚色の絵本
□第2話 赤の少年
2ページ/5ページ
あの強風です。
飛ばされたっておかしくないですよね…。
「…なあ!君のそのポケモン何て言うんだ?」
「え?あ、ああ…。この子ですか…」
私は肩に乗るハクアに目を向け、笑う。
確かまだカントーでは発見されていないポケモンでしたね、ヤミカラスは。
「ヤミカラスって言うポケモンなんですよ。この子の名前はハクアって言うんですけど」
「ヤミカラス、か。でも確か話を聞く限りじゃ真っ黒だって…」
ヤミカラスについては聞いたことあるんですね。
そう思いながら私は「そうですよ」と頷いた。
すると、彼は不思議そうな顔をする。
まるで「何でだ?」と言いたいように。
「この子は私の知人の方から貰ったポケモンなんですが、最初から真っ白だったそうですよ」
「色違いってことかー…」
私の説明に納得してくれたのか、彼は「へー…」と頷いた。
「なあ、他にもポケモン持ってるのか?」
キラキラと目を輝かせる彼に、私は苦笑混じりに頷く。
ポケモン、大好きなんですね。
まあ、それは私もですが。
_