珊瑚色の絵本
□第2話 赤の少年
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私はホルダーからミロカロスのミヤビとメタモンのスガタが入ったボールを取り、彼に見せる。
「へー…。なあ!こっちのポケモン何て言うんだ!?」
「ミロカロスです。ミロカロスのミヤビです」
それでこっちはメタモンのスガタです。
そう言いながら私はミヤビとスガタをボールから出す。
すると案の定、彼は興奮したように頬を赤くする。
「すげえ…。すげえな…!」
「そう、ですか?」
「ああ、そうさ!」
彼はそう断言すると私に顔を向ける。
僅かに赤がかかった黒の瞳に私が映る。
「俺さ、最強のポケモントレーナーになりたいんだ!」
「最強の…」
私は彼を見た。
彼の強い意志を持つその眼差しはきっと最強のポケモントレーナーっていう目標を見つめているんですよね…。
「君は?」
「…え?」
「君はどんなポケモントレーナになりたいんだ?」
彼の言葉に私は指に襟のリボンを絡めながら考える。
最強…は違いますし…、最高、も何か違いますね…。
…あ、そうか…。
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