珊瑚色の絵本

□第2話 赤の少年
4ページ/5ページ

「私はこの子達にとって1番のトレーナーになりたいです」



沢山いるトレーナーの中で1番じゃなくて、大切な存在の中で。



「私にとって、何より大切なこの子達に1番だと思われるようなトレーナーになりたいです」



私の言葉に彼は笑う。



「君なら絶対良いトレーナーになれると思うぜ?俺が言えた事じゃないけどさ」

「そんなこと無いですよ」



私はミヤビの体を撫でながら言う。



「きっと貴方も最強のポケモントレーナーになれますよ」



そう言った私を見て、彼は「ありがとう」と笑った。



「そうだ!名前教えてくれよ!」

「名前、ですか?」

「ああ!俺はレッド!君は?」



彼―レッドの言葉に促されるようにして私は口を開く。



「コーラルです」



私は、コーラルと言います。

私は笑ってそう言った。

人に名前を名乗るのに、こんなに嬉しい気持ちになった事は無い。

どうして、でしょうね。

きっと彼が優しいからですね。

ええ、きっと。



_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ