珊瑚色の絵本
□第2話 赤の少年
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レッドは口の中で私の名前を何度か復唱すると私を見た。
「コーラルか、良い名前だな!」
そう言ってニッと笑うレッドに私は小さく笑いかける。
「そう言ってくれたのは貴方が初めてですよ。レッド」
人の名前なんて、基本的に良いも悪いも無いと思いますけど。
でも、褒められて悪い気はしませんからね。
素直に嬉しいです。
「ふふ、」
私は小さく笑うと、ミヤビ達をボールに戻した。
それを見てレッドは「?」と頭に疑問符を浮かべた。
「そろそろ私も旅立ちたいので」
私はそう言うと、レッドへと振り返る。
「それじゃあ、また会いましょう?レッド」
「…ああ!またな!コーラル!」
そう言って大きく手を振ったレッドに私は小さく手を振り返す。
本当に、また会えそうですね。
そう思いながら私は歩き始める。
私の世界を広げる為の旅を始める為に。
To be continued…