珊瑚色の絵本
□第5話 謎の少女
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「コーラル、貴女にはこのストライクの保護をお願いしても構わないでしょうか?」
エリカさんの言葉に私は書類を捲る。
ストライク…は、と。
ストライクに関したページを見つけると、私はさっと目を通す。
そして顔を顰める。
「バトルの為に…改造…」
「そうです。そのストライクはバトルの為に改造されたポケモンです」
その為、私ではそのストライクを保護することはできません。
そう言ったエリカさんに何故か問おうとし、けれど私はその理由に気付いた。
エリカさんのエキスパートは草。
故に虫タイプとは相性が悪い。
つまり、下手をすれば自分がやられる可能性があるという事。
「そう、か。だから私に…」
「そうです」
エリカさんは頷くと、私の両手をふわりと持ち上げ、包んだ。
そして彼女はニコリと笑う。
「コーラル、私の『お願い』引き受けてくださいますか?」
「…そうです、ね。分かりました」
私が笑うと、彼女はほ、と安堵の息を吐いた。
綺麗な貴女に怪我させる訳にはいきませんからね。
そう言うと、彼女は少しだけ頬を赤くさせた。
こういう台詞に弱いですよね…、エリカさんって。
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