黒と白の姫君
□第4話 彼への任務
2ページ/4ページ
「…それっ!」
「落ち着いてよ」
顔の目の前に手を出され、私は思わず制止。
「…それと、私の幼馴染に何の関係が?」
「問題はそれなんだよ」
書類を机の上に置いて、イスラは続ける。
「この召喚儀式はフユカが来たのとほぼ同時期に行われてる。結果は失敗」
「…うん…」
「結果、儀式に参加していた召喚師はほぼ全滅。その場に巨大なクレーターを残す事態となった」
ただし、とイスラは続けた。
「その後、1人の少年が現れた。茶色の髪の少年がね」
「……多分、勇人だ」
「ただね、その彼だけだったなら話は簡単だったんだ」
至極面倒そうな顔をして、彼は書類を叩く。
「その数日後、1人の少年と2人の少女がクレーターから出てきた」
「え…」
「よく似た服装をしていたことから出身世界は同じだろう、と判断された。…その内の1人はね、フユカ、君と全く同じ服装をしてたんだってさ」
私と同じ服、つまり制服だろう。
こちらに来た時、私の着ていたのはセーラー。
夏美と同じもの、だ。
「…どうする?」
「どうするって…」
イスラの問いに困惑する。
どういう意味で問われたのか、分からなかったから。
_