君隣空下


□四
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俺を抱くときの息づかいや、眼の色、言葉の数々、感触。そしてあの笑顔を。
夢の中でさえ、鮮明に感じた。


「………」


一体どうしてしまったと云うのだろう。


状態を起こすと、鏡と向かい合う。
困惑した顔をした自分が其処にいて。



「お客さんだよ」


いつもの声がする。

切り替えようと頭を振った時、戸が開かれた。



其処にいたのは、夢の彼と同じ眼の色髪の色をした、女だった。





【四】END
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