□宿敵
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「父上から、これを預かってきた」


渡された文を開く。そこには、目を見開いてしまう文言。


「これ…」


「おう。同盟、結んでほしいって」


土方は、あえて何でもなさそうに口にした。感情を込めないよう、細心の注意を払った。


「な…」


込めてしまったら。沖田のように、きっと自分も。


「っぅ…く、そ…」


抑えきれなくなる。



これでもう、想いを押し殺す必要なんてないのだから。
二人はもう、敵同士ではないのだから。






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