他
□宿敵
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濡れた頬を両手で包んで、そっと口づける。
唇を離すと、困ったように笑う沖田がいた。
「今日で一月だ。殺すかぃ?」
愛しい黒髪に触れながら、彼は紡いだ。その心は驚くほど、穏やかだった。
「たりめぇだ…ほら、首出せ」
頬から離れた手が、白い首に絡まる。ぎゅっと、ほんとうに締めてしまいそうなほど、強く、いじらしい触れ方。
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