□美しい人
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第一章「初期衝動」



ぼくは美しい人が好きだ。

それが男だって女だってなんだっていい。美しくて、人であるならば、誰だっていいんだ。

それなのに、ぼくの理想に適う相手は、なかなか見つからない。もう16才の春なのに。周りの友人は次々と彼女を作り、やっすい方法で童貞を捨てていくというのに。
ぼくは取り残されつつある。

でも、やっすい方法は嫌だ。平凡な相手ならいくらでも探せる。ぼくはそれだけの器量の持ち主で、ルックスの持ち主だからだ。たまに迫ってくる綺麗な相手は、化粧を落としたらあられもないブスだったりメスを入れていたりするから油断は禁物だ。




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