君隣空下
□壱
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【壱】
俺をこの世に生産してしまった人は、思ったのだろう。
裕福で、子のいない家の前に捨てておけば、きっと、俺は幸福になれると。
俺を見つけた「子のいない裕福な夫婦」は、大喜びだった。
そして一刻も早くと、繁華街へ走った。
『いくらで売れますかぃ?』
一歳にも満たないうちに、俺は二度、捨てられた。
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