君隣空下
□四
2ページ/9ページ
【四】
とおしろう。
はい。
ごめん。
どうして。
痛かったろ。
いいえ。
赤くなってる。
これは
俺が自分で望んだことだから。
でも、オレもやりすぎた。
沖田さん、
なに。
優しくしなくて大丈夫です。
なんで。
切れたり、血が出たりしなければ、使えるから。
なに云ってんの。
このくらいなら、売物になるから。
「そんなこと云うな!」
声を荒げた彼が、俺を抱きよせた。
「痛いならそう云えよ! 嫌なら嫌だって云えよ! そんな眼、するな!」
なんて答えたらいいのか分からず、強く抱いてくる彼の腕の中に、身を任せた。